ハワイ島に来たら行かなくてはならない場所、ワイピオ渓谷。展望台からでも素晴らしい絶景を見ることができます。できますが、しかしせっかくここまで来たのです。この際下まで降りて行かないとダメなんです。
かつて王族の土地として使われていた神聖な渓谷ワイピオ。1946年と1979年に大津波に襲われたましたが、死者の数はゼロ。そんなこともあり「マナによって守られている渓谷」と信じられています。
渓谷の奥へと進んでいくにはレンタカー・・・しかし保険がカバーされないレンタカー会社がほとんど・・・なので徒歩・・・しかしけっこうな距離を歩くのでかなりキツイ・・・ではどうする?馬で行きます。
幌馬車スタイルか、それとも馬にまたがり乗馬スタイルで行くかはお好み次第。人工物のほとんどない緑の渓谷をポックリポックリ進んで行きます。
渓谷の奥深くまで進むほどに、さっきまでいた地上とは別の時代に迷いこんだかのような錯覚に陥ります。そういう意味では馬は過去へと運んでくれるタイムマシンと言えるかもしれません。
谷底までくれば空気と景色が一変。展望台から見ていたのとはまるで違う世界が待ち受けています。
ハワイ語で「ワイ」は水。「ピオ」は曲がりくねったというような意味。だからワイピオは曲がりくねった水。つまり小川のように水が流れている、というような意味になるのだと思います。
渓谷には約50人が暮らしていて、タロイモなどを栽培して生活しています。タロイモは日本のわさびと同じで、絶えずきれいな水が流れていないと育てることができません。両サイドの崖から水が流れ込む「ワイピオ」は、タロイモ畑として最適な土地でもあり、ワイピオブランドのタロは美味しいと評判です。
人工の音が聞こえない場所。風が木々を揺らす音と流れる水の音だけ。静寂の渓谷ワイピオ、といった感じです。
王家の土地であったということは、つまりここにはお墓もあったということ。実はここ、夜になると出るんです。何がって、死んでいった王族たちの霊です。海に向かって左の崖に墓があり、夜になると海から上がってきた霊たちが行進と交信をする、「“ナイトマーチャント”の音が聞こえてくる」と言われているのは本当の話です。
深い森と緑に囲まれたワイピオ渓谷でマイナスイオンと癒やしをもらったら、そろそろ地上へ、現代へと戻ります。