WAIKIKI・・・WAIは「水」で、KIKIは「溢れる」とか「吹き出す」とか、そんな意味というのはご存知のかたも少なくないと思います。その昔、かつてのワイキキは今のようにコンクリートで塗り固められてしまった場所ではなく、水が流れ、花が咲き、タロイモ畑が広がる・・・水と自然が豊かな場所だったのだと思います。でなければ、ハワイアンがここをワイキキと呼んだはずがないし、昔のワイキキの写真を見れば、実際あたりは沼地だったことがよくわかります。
沼地だったワイキキを豊かに潤していた源泉はといえば?マノアフォール。ワイキキの命の源である水は、ここから始まっているのです。ではそのコースは一体どんなコースをたどってワイキキまでやってくるのか。そんなことが気になって、マノアの滝から川の流れをたどり、実際に歩いてみることに。
滝へと流れ込んだ雨水は滝壺から流れ出て、川となります。川はマノアの谷を下り住宅地を抜け、やがてアラワイ運河へと。だけどなんだかこれがかなり強引というか、無理やり運河へと方向を変えられたというか。
実は運河がなかった以前にはマノアからの水はワイキキへと流れ込んでいたのでした。
運河が完成したのは1903年。アメリカによるハワイリゾート開発が本格的に始まった年とほぼ同じです。ワイキキを整備するためには、それまでワイキキを潤していたマノアからの水は邪魔ものに。
川の流れは人工的にワイキキの後方へと押しやられ、現在のアラワイゴルフコースから始まる運河へと流れを変えられ、アラワイヨットハーバーから海へと流れ込まされるようになったのでした。
海と川の接点には、常に生活のゴミが溜まっています。これは山を抜けた後の住宅地からの、元々はハワイの土地になかったものを運んできたもの。雨の多いマノアは、ハワイのシンボルである虹が頻繁に現れる場所。虹のかかる幻想的なマノアの丘から始まる水の流れの終着の姿は、百年の間人間がここでしてきたことの結果でもあります。いったい何年かければ元に戻せるのでしょうか・・・。そんなことを考えたマノアの滝からあらわい運河までのショートトリップ。