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日本人移民の努力で完成した100年前の用水路に涙

山下 マヌー

スマートリップ・ハワイ編集

山下 マヌー

ハワイ島のほぼ最北端にコハラという小さな町あります。その昔サトウキビ農園で栄えていた町ですが、その繁栄には日本人移民の存在が大きく関わっていました。というより、日本人移民の存在がなければ繁栄もなかったかもしれないと思います。

ほとんど雨の降らないこの場所でサトウキビを育てるには、農業用水を確保する必要があったんですね。しかし斜面は急でところどころは断崖絶壁。工事の足場を組める状態ではなかったそうです。

過酷な条件の中、工事の進め方から水を通す水道橋の計画、谷を削っての難工事には多くの日本人が参加していて、「彼らの賢さと勤勉さがなければ決して完成はしなかっただろう」という話は現地で何度か聞かされたことです。

サトウキビは時代の移り変わりとともに1970年にその役目を終えてしまいましたが、用水路は未だ健在。今でも地元に農作物畑や養殖に水をしっかり供給。その様子を見たとき、日本人として嬉しくなったのと同時に、胸にグッと熱いのが込み上げてきましたよ。

そんなコハラの用水路が作られたのは1907年。今から100年以上も前のことです。100年以上も前のものが今もこうして立派に現役で活躍していて、しかもほぼ当時のままの用水路の一部をカヤックで回れるツアーがあるんです。

ハワイ好きなら、いやハワイに来る日本人ならこれはもう参加しておくべきアクティビティの一つだと思います。

途中最大の難工事だったトンネル。トンネルの壁には工事に携わっていたと思われる日本人の名前が刻まれていたり、工事の日数を計算したのか、月日などが日本語で刻まれていたりするのを見ると、マジ泣けてきます。こんな真っ暗中で工事をしていたことが信じられません。

 

今日本人観光客がハワイの人々から好意的に迎え入れてもらえているのは、こうした先人たちの苦労と努力が現地で理解され尊敬され、今も語り継がれているからなんだと思います。その気持を裏切らないようにハワイを理解し、遊びたいものです。

 

 

 

 

 

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