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ワイキキで最もユニークなレストラン『パリハワイ』

フローリック・ハワイ編集部

フローリック・ハワイ編集部

Yuya Yamanakaがキアベで燻製したオパを、お客さんの目の前で披露

Yuya Yamanaka(山中祐哉)と東京のレストラングループZetton Inc.が、ワイキキに新形態のモダンレストランのオープンを共同企画していたのは2016年。工事が遅れ、2年もの歳月が経ちました。しかし、この2年は無駄ではなく、この間にYamanakaはハワイの豊富な農産物や魚介類、その他の食材について研究をしていました。彼はハワイに移り住んでサーフィンを再開できただけではなく、料理に使う島の食材についてのスピレーションをも得ることができたのです。

アーチをくぐり、上の階に昇ります

Yamanakaは大阪で有名な辻調理士専門学校で学び、2015年にフランスへと渡ります。そこで、Clown Barのオープニング副料理長となるのですが、パリ11区にあるこのお店はEaterやFooding、New York Timesなどで伝統的フレンチの進化形態と、異常なまでのオーガニックワインの品揃えで絶賛されています。店のオーナーシェフのSota Atsumiは、料理を極めるためにパリに移った若い日本人シェフたちのグループの一人で、現在彼らはパリで人気の飲食店を何店舗か経営しています。そして、同様のことがここワイキキでもおこりつつあります。

少し早めに着いて、夕食前のカクテルタイムを楽しみます

Zizuや、Heaveny、Gofy Cave&Dine、また、Aloha Tableなどで食事をしたことがある人なら、このチェーン店が地元の食材を大切にしていることをご存知でしょう。Paris. Hawaiはそのトップに君臨し、主に地元の農家や業者から調達する食材を使用したお料理を提供しています。$75のプリフィックスディナーは、カウンター席で1日2回のみ提供されます。プライベートな集まりには2つの個室を利用することができますが、カウンター席の方が調理を見る楽しみを味わえますね。ワインペアリングをしたり、デザートの追加と20パーセントのサービス料を入れるとお支払いは一人$170くらいになります。

カウンター席のシェフズテーブル

Yamanakaと彼のチームは寡黙ですが、その動作は流暢。カウンター裏の真空調理機の音がお店オリジナルのキャッチ―な楽曲に消えていきます。円すい状のガラスの器が持ち上げられると、キアベの燻製の煙があふれ出し、BBQの香りが漂います。表面がざらざらとした特注のプレートは、総支配人と趣味で陶芸をしているAndrew Habererが、多孔質の溶岩に似せて作ったものです。

メニューに詳細は書かれていません。その代わりに原材料が明記してあり、お料理が目の前に出された際に英語か日本語で説明を受けます。ドリンクのペアリングは3種類か5種類を選択でき、ワインが$25と$50、ビールが$20と$40。面白いことに、ノンアルコールでハワイ産の紅茶のペアリング($15と$30)もあり、フルペアリングにはレストランで焙煎された芳醇な昆布茶も含まれます。これは、絶対におススメ。

 

メニューにあるHawaiian espresso。Hawaiian espressoと書いてありますが、いわゆるエスプレッソではありません。

お食事は、驚きのアミューズから始まります。メニューには”Hawaiian Espresso”と書かれていますが、実はこれ、泡立てられた冷たいコーンスープと甘くよい香りのする抹茶のホイップ。“一体これは!?”と驚く間もなく、カウアイ島産の有頭海老が登場します。

ガーリックシュリンプ

真空調理された柔らかい海老は、甘味料とスパイシーなガーリックで味付けされ、食用花で飾られています。これはノースショアで良く見かけるプレートランチにインスパイアされたもので、Yamanakaの一皿はそれをうまく再現しています。柑橘の香る甘いマウイ産のLokelaniローズティーと共にいただくと、楽しいお食事のはじまりです。

タコ/トマト/アボカド/バジルにトマトウォーターが注がれ、まるでお風呂の様

2番目のお料理は時間をかけて味わいました。小さなタコのスライスにはオリーブオイルがかかっていて、こんがり焼いたアボカドに新鮮でミルキーなリコッタチーズ。そこに注がれるトマトウォーターとフレッシュバジルの強い香り。中毒になりそうな食感をお楽しみください。

Paris.Hawaii特性、アヒポケ

パリでのYamanakaの人生とHawaiiのマリアージュによる彼のアヒポケは、しばらく脳裏に残ります。筋を取り除いたシルクのように滑らかなアヒの角切りの上には、完璧に味付けされたハワイ島の牛のタルタル。オリーブオイルとココナッツが豪華さを演出しています。一晩中でも食べていられる一品。

オパ/Manoa産のレタス/小型の二枚貝

キアベで燻製されたオパは、思ったより私の好みではありませんでしたが、程よく塩味の効いた、シーアスパラガスのバターのホイップと自家製のパンには虜になりました。次のお料理、フレンチオニオンスープのために、取っておきたくなるほど美味しかったです。

トーストされた自家製のパンとシーアスパラガスのバター、次に来るスープのためにとっておきましょう

これは単なるフレンチオニオンスープではありません。お水もスープも加えていないんです。NamanakaはMaui島産の甘い玉ねぎを圧力調理し、玉ねぎそのもののうま味を凝縮したスープを造りました。チーズを詰めた小さなシュークルトンが添えてあり、これによって塩気をプラスすることが出来ます。例のパンでスープを残さず平らげたので少し恥ずかしい思いをしましたが、その価値はありましたよ。

チーズのシューをスープに浸しかき混ぜると、表面にチーズが浮かび、まるで本物のフレンチオニオンスープのように見えてきます

YamanakaのClown Bar時代は、ピティヴィエでも伺い知ることができます。ピティヴィエとはフランスの伝統的なお料理で、スイーツや風味のあるものを、薄く黄金色をしたバッターたっぷりのパイ生地の中に詰めたものです。写真の中身は、ジューシーなJ.Ludovicoの鶏胸肉とハワイ産のハーブです。タロイモのようにも見える、付け合わせの紫色のドロっとしたものは、沖縄の紫芋から作ったエスプーマです。これとエシャロットのコンソメが、リッチで味わい深いパイに甘さを加えています。

最初はタロイモのパンケーキかと思ってしまいました

今回のお食事の締めくくりはいたってシンプル。食事のあいだ中石のグリルの上に置かれていたのがずっと気になっていた、ハワイ島産の牛のNew York stripです。キアベ(メスキート)の木を使うことで、燻製温度が低く保たれ、低い温度でじっくりと燃えるため、より長い時間焦がすことなく、煙がお肉に浸透します。レアに調理することで、グラスフェド牛の香りが引きたたせ、味付けは塩コショウのみといたってシンプル。この日のお料理の中で最もシンプルなものだったかもしれませんが、しかしここにもサプライズが。お肉の隣でしなやかにカーブを描いているのはシーアスパラガス。普段ポケやサラダに入っている生でシャキシャキとした茎ですが、ここではしなびて糸を引く感じでこれが意外と美味しいんです。

 

キアベの木でグリルされたハワイ島産のビーフと、しなびたシーアスパラガス

デザートは追加注文なのですが、少なくとも1種類は食べたいですね。私たちの興味をそそったのは、Kilauea溶岩ケーキの液体窒素ココナッツアイス添え($15)と、リリコイのタルト($10)です。

ココナツクリームが液体窒素で瞬間冷凍されて出来る、月面の岩の形をしたアイスクリームが、スプーンで溶岩ケーキに添えられています

1つめは溶岩ケーキ。溶けた溶岩に見立てたラズベリーがケーキの中心から流れ出ています。この溶岩ケーキは、さらにレベルアップしていて、液体窒素で瞬間冷凍されたココナッツアイスが月面の岩を演出しています。

リリコイのタルトはYamanakaのパリ時代を彷彿させるデザートです。滑らかでフレッシュなクリームと、口をすぼめたくなるようなリリコイ。これらを同時に食べたときに生まれる調和のとれた科学反応は、Yamanakaのお料理全般に見られる特徴です

Yamanakaのフレンチの技とハワイ産の食材に対する新しい視点には恐れ入りました。ハワイではこのようなお料理は他で食べられません。Paris. Hawaiiは実に面白いお店だと言えます。

 

〔原文 Paris.Hawaii is Waikiki’s most exciting new restaurant BY: THOMAS OBUNGEN 〕

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